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自筆証書遺言について
◆自筆証書遺言について
(1)自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付及び氏名を自筆し、押印することによって作成することができます。(民法第968条)
自筆証書遺言の長所としては、最も簡単で費用がかからない方法で、遺言の存在及び内容を秘密にすることができる点などが挙げられます。
他方、短所としては遺言書を紛失したり、偽造、変造されたりする危険や、方式の不備・文言の解釈に問題が生じる可能性がある点などが挙げられます。
(2) 自筆証書遺言では、文字通り自筆によること(自書能力)が要求されており、ワープロ、タイプ等による作成は認められていません。
氏名については、氏又は名のどちらかのみの記載でよく、戸籍上の氏名ではない通称、ペンネームでも有効であると解されています。
押印については、三文判でも問題ありません。押印の代わりに指印でもよいとされています。
もっとも、遺言の効力に問題を残さないためには、戸籍上の氏名を用いて実印を使用するのが望ましいと考えられます。
日付については、遺言書作成時の遺言能力の有無や、矛盾抵触する遺言書が複数存在する場合の先後関係を決するために必要とされるため年月日が客観的に確定できる程度に特定されていないといけません。
したがって、「平成二十年○月○日」というように年、月、日を明確に記載するようにすべきです。
この点、「平成二十年の自分の誕生日」という記載は良いと考えられますが、「平成二十年1月吉日」という記載は認められません。
なお、遺言書に加除、変更を加えるためには、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記してその部分にも署名し、変更があった場所にも押印する必要があります。(民法968条②)
また、自筆証書遺言の場合は、遺言を執行するために家庭裁判所の“検認”が必要とされます。
自筆証書遺言記載例
遺 言 書
遺言者 ○○太郎 は、この遺言書により次のとおり遺言する。
1. 妻・○○花子 には次の物件を相続させる。
(1) 大阪市中央区鳥町1丁目2番3
宅 地 123.45㎡
(2) 同所同番地所在
家屋番号 2番3
木造瓦葺2階建居宅1棟
床面積 1階 44.55㎡
2階 35.25㎡
(3) 前記家屋内にある什器備品その他一切の動産
2. 長男・○○一郎 には遺言者の経営する○○鉄工所の後継者として、その
事業経営をしてもらうため、次の物件を相続させる。
(1) 大阪市中央区鶏町1丁目33番
宅 地 220.33㎡
鉄筋コンクリート造陸屋根2階工場
床面積 1階 130.35㎡
2階 145.33㎡
(2) 同所同番地所在
家屋番号 55番2
鉄筋コンクリート造陸屋根2階建工場
床面積 1階 120.25㎡
2階 120.25㎡
3. 長女・○○歌子 には婚姻の際、現住居の住宅資金を援助してあるので、次の
債権を相続させる。
(1) 大阪UJF銀行天満橋支店の定期預金全額
(2) 割引商工債権 額面500万円
4. この遺言の執行者に、行政書士 を指定する。
平成 年 月 日
遺言者 ○○太郎 印
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