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遺言書Q&A
Q 夫婦のどちらかに万一のことがあった場合に備えて、同一の証書を用いて「先に死亡した者が他方に財産を相続させる」との遺言を夫婦共同ですることができるか?
A 遺言は二人以上のものが同一の証書ですることは、民法975条によって禁止されています。たとえ夫婦であっても同一の証書を用いて夫婦共同で遺言をすることはできません。
アドバイス
一見したところ共同遺言に見えても内容的に単独遺言と評価できれば無効にならない可能性もありますが、無効になるリスクを考えると、夫婦であっても別々に遺言を作成すべきです。
Q 私は、万が一の場合に備えて遺言書を作りたいと考えていますが、自筆証書遺言よりも公正証書遺言の方が安全であると聞きました。
公正証書の遺言の作成方法を教えて下さい。
A 公証人役場に証人二人とともに行き所定の費用を払えば、公正証書を作成することができます。公正証書によれば、遺言書の紛失、第三者による変造の危険、方式違反による無効のおそれ、文言の疑義の発生等を防止して安全に遺言書を作成することができます。
アドバイス
公正証書による場合には、公証人によるチェックが入り、遺言の内容が明確になり後日の紛争を防止することができますので、積極的に利用することをお勧めします。ただ、実際の公証人とのやり取り、文言の作成については、専門的な知識が必要になる場合もありますので、事前に行政書士等の専門家に相談するのがよいでしょう。
Q 認知症の老人が遺言書を残したいと述べていますが、どのような手続きによればよいのでしょうか。そもそも認知症の老人が遺言をしても遺言は無効となってしまうのでしょうか。
A 遺言者が成年被後見人である場合、医師二名以上の立会等の要件のもとで遺言をすることができます。しかし、仮に医師二名以上の立会をして遺言書を作成しても、遺言時点で事理を弁識する能力がないと判断されれば遺言が無効となります。
アドバイス
成年被後見人や被保佐人、知的障害者等について遺言書を作成する際には、民法973条の手続きを経ていても後日相続人間で遺言能力が疑われる可能性は十分にあるといえます。民法973条の手続きを経るほかに、遺言者の状況、医師の判断等を書面、ビデオ、テープ等によりできる限り証拠化しておくことが重要いえます。
Q 私は外国人です。外国人であっても日本国内で有効な遺言書を作成することはできますか。またその際、どの国の法律が適用されることになりますか。
A 外国人も日本において有効な遺言書を作成することができ、その方式は本国法、日本民法、不動産に関する」遺言であればその不動産の所在地法等のいずれの方式によることもできます。遺言の内容については、原則として国籍を有する本国法によることになります
<参考判例>
ロシア人の遺言者が作成した英語の遺言書の草案を、依頼を受けた弁護士が日本語の遺言書草案に翻訳して公証人に事前に交付し、公証人がその草案に基づき事前に遺言書の原案を作成した場合において公証人が遺言当日にその原案を読み上げ、それを通訳が英語で通訳して遺言者がその内容を確認、誤りを指摘・訂正したり、内容を変更をさせた経緯からすると、口授と筆証及び読み聞かせの順序が若干前後することにとどまり、遺言者の意思確認の手段につき方式の履践に欠けるところはないとした判例
(東京地判昭63・4・25判時1274・30)
Q 自筆証書遺言を作成したいのですが、脳梗塞の後遺症で手が震えるため一人では満足な字を書くことができません。そこで友人に添え手をしてもらおうと思っているのですが、添え手をしてもらって作成した遺言書は有効でしょうか。
A 他人の添え手を受けて作成された自筆証書遺言は原則として無効ですが、例外的に添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが筆跡のうえで判定できる場合には有効となります。
アドバイス
添え手による遺言書は原則として無効であり、有効となるのはあくまで例外的な場合に過ぎません。そのため、手が震える場合であっても、判読可能な文字を書けるのであれば添え手によらずに遺言書を作成する方が後の紛争を防ぐ意味でも得策です。
もし、どうしても判読可能な文字を書くことができないというのであれば、添え手による自筆証書ではなく、公正証書や秘密証書遺言にした方が、死後の相続人間の紛争発生の防止になるでしょう。
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